Category : 井上夢人@書籍

Tags :  小説  井上夢人 

the TEAM@井上夢人

の夏はじめて「つくつくぼうし」の鳴き声を聞きました。「つくつくぼうし」って秋の初めに鳴くんじゃなかったけ?などと思いながら、耳を傾ける川口です。

最近、ちょこっとさぼり気味の本の紹介なんですが、ここいらで気を取り直しまして・・・。
久しぶりに「井上夢人」さんの作品を紹介します。井上さん関連の前回のエントリー「ダレカガナカニイル・・・@井上夢人」から数えると、約半年のご無沙汰となります。

今回紹介する作品「the TEAM」のあらすじを簡単に説明しますと・・・。
テレビ番組に招霊木(オガタマノキ)を片手に出演する全盲の人気霊媒師「能城あや子」。彼女のその何もかも見抜いてしまう卓越した霊視能力を頼りに、霊視を希望する相談者達。しかしその彼女の実態は、霊視能力など全くの嘘。だが霊視は全て的中している。はたして何故か?どうして彼女は全てを見透かしてしまえるのか?
ん〜、こうして書くと、なんか本のキャッチコピーみたいですね。

実際は秘密裏に活動する二人の調査部隊がいまして、彼らが予め相談者の身辺を入念に調査し、秘密事項なんかを探りだします。時には個人的な主観に基づく推理なんかも交えながら。この過程が他のミステリー小説の謎解きに合致する部分でもあります。

で、調査部隊が実行する内容ですが、これが一言でいって「違法行為」なんです。相談者の家に不法侵入するのはもちろんのこと、尾行なんてのももっぱら。会社のパソコンやウェブサイトに不正アクセスするってのもありましたね。ようは、とっても正常な身辺調査をやってるとは、口が裂けても言えませんねぇ。まぁ、そこまでしないと、相談者が秘密にしてることなんて、分かるはずが無いんですがね。

しかし、その「違法行為」も井上さんの文才にかかれば、ある種の職人技のように描写されており、「違法行為」自体が正当なものに思えてくるから不思議でたまりません。

まぁ、やり方はこの際置いといて、「能城あや子」のもとに訪れる相談者の悩みは解決されるし、秘密にしていたことから導き出した結果、その裏に潜んでいた真犯人は捕まえられるし、こと相談者側の視点からみると、まさに彼女の霊視は天の声のようなもの。あと、どこにも被害者がいないってのも、本書の魅力ではないでしょうか。

「能城あや子」にも敵がいない訳ではありません。彼女の霊視はインチキだ、ペテンだと思ってる人たちも登場します。が、そこはそこで非常にうまく料理してくれます。そのインチキだと思ってる人の思いを覆すくらいに。

それと、本書の最後の引き際ってやつですか、見事でした。読み終えたあと、なんか爽快な気分になったのも確かなことです。欲を言えば、続編があるなら是非とも読みたい作品でしたね。お勧めですよ。
雰囲気としては岡嶋二人さんの『三度目ならばABC』の番組で謎解きをする、というものと、同氏の『眠れぬ夜の殺人』の捜査ゼロ課を足して二で割ったような雰囲気でしょうか。

インチキ霊媒師のトリックを暴くという話ではなく、インチキ霊媒により過去の事件の真相を探ったり、時には、結果として人助けをしたりするというストーリー。

余談ですが、「能城あや子」たる人物。昨今、やたらとテレビや著作を拝見する機会が以上に多い、女性(おばさん)占い師に、私の中でイメージがダブってしまって・・・。っていうのも、私、あのおばさんが生理的に苦手なんですよ。

the TEAM
井上 夢人

おすすめ平均:4
4続編が読みたい!
4ザ・チーム
4様々な事件を解決するチームの活躍
4暴くが花、暴かれないのが花
4チョー気持ちいい!!

Amazon.co.jpで見る by Azmix

ランキングにご協力くださ〜い。


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川口 亨

コンピューターとガンダムをこよなく愛す、香川県高松市在住の37歳の男性でございます。以後、お見知りおきを。

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